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直原さん
神戸大学新聞の前史を略してまとめたので、兄にもメールで送りました。
10ページにある1936年3月の中野重治の小文は、内容を紹介する余裕はなかったのですが、彼の良質な
思想性をかいまみることができる投稿でした。
パリコミューンが、過去の支配の象徴としてヴァンドーム広場の円柱を破壊したことを引き合いに出して、芸術的遺物への批判的摂取について語っています。
その行為に対するマルクスの「積極的評価」(中野は「あきらかな説明」といっている)に反対しようとするものでは
ないが、コミューンの勝利がもっと大きいものだったら、遺物を単純に壊すようなことはしなかったろう、といい、
これを引き合いに、日本のプロレタリア文学運動が、日本文学史の全業績について不勉強なまま、「批判するときは丸太で打ち倒す」ようなことをしているのではないか、と危うんでいます。摂取は批判の中にあり、批判の過程が摂取することにほかならないから、もっと過去芸術を深く鑑賞するべきだとしています。
新聞のそのページ、もし必要ならコピーしてもいいですが。
http://rouhei.com
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